二日酔いはなぜ起きるのでしょうか。お酒を飲みすぎた翌日、頭痛や吐き気、だるさに悩まされた経験がある人は多いはずです。
二日酔いは単なる「飲み過ぎ」の結果ではなく、アルコールの分解過程で生じる物質や水分不足、低血糖、睡眠の質の低下などが絡み合った「全身の不調状態」です。
また、“生まれ持った体質の違い”によって、同じ量のお酒を飲んでも二日酔いになりやすい人・なりにくい人がいます。本記事では、二日酔いの原因と、自分の体質(遺伝子)を知ることでできる二日酔対策について解説します。
二日酔いが起きる主な原因
アルコール分解の影響
二日酔いの主な原因は、アルコールの分解過程で生じる毒性の強い「アセトアルデヒド」という物質です。
肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)により生成されたこの物質は、顔の赤みや動悸、吐き気、頭痛といった症状を引き起こします。
通常はアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって無害な酢酸へ分解されますが、遺伝的にこの酵素の働きが弱く分解が追いつかないと、アセトアルデヒドが体内に留まり強い不快症状を引き起こします。
【出典】厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「アセトアルデヒド」
【出典】日本醸造協会誌 2014,109:2-10
水分不足(脱水)
アルコールには、尿の量を抑える「抗利尿ホルモン」の働きを抑える作用があるため、飲んだ量以上に水分が排出され脱水を引き起こします。
体内の水分や電解質が不足することで、頭の重さやめまい、筋肉のこわばりといった症状が二日酔いの辛さを悪化させてしまいます。
睡眠の質の低下
「お酒を飲むとよく眠れる」というのは大きな誤解で、実際には夜間の中途覚醒や浅い睡眠を増やして眠りの質を著しく低下させます。
これにより、しっかり寝たつもりでも疲れが取れず、翌日の集中力低下やだるさが二日酔いの症状と重なって現れます。
【出典】Clocks&Sleep 2024,4:595-606
遺伝子検査でわかるお酒体質
「周りの人と比べて自分は二日酔いになりやすい」と感じるのは、気のせいではありません。そこには人それぞれの体質(遺伝子)の違いが影響している可能性があります。
無理のない飲酒スタイルを持つために、自分のお酒体質を知ることはとても大切です。chatGENE遺伝子検査では、お酒に関する様々な項目を解析できます。
アルコール代謝
アルコール代謝に関する遺伝的な特徴を調べることで、お酒を分解しやすい体質かどうかの目安がわかります。
自分がアルコールを分解しづらい体質であると知ることで、急性アルコール中毒のリスクを意識したり、飲酒量を控えたり、アルコール度数の低い飲み物を選ぶなど、自分に合った飲み方を心がけることができます。
関連遺伝子名:ADH1B遺伝子、ALDH2遺伝子など
【出典】厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「アセトアルデヒド」
お酒の強さ(酒豪遺伝子)
お酒の強さに関する遺伝的な特徴を調べることで、生まれつきどの程度アルコールに強い体質なのかを知る手掛かりになります。
お酒に弱い傾向があることがわかれば、飲み過ぎや二日酔いを防ぎやすくなります。また、あまり飲みたくない日には「体質的に飲めない」と周囲へ伝えやすくなります。さらには、二日酔い対策グッズの購入など不要な出費を減らすことにもつながります。
関連遺伝子名:ACAD10遺伝子、HECTD4遺伝子など
二日酔い
二日酔いのなりやすさに関する遺伝的な特徴を調べることで、飲酒後に頭痛や吐き気、だるさなどの症状が出やすい体質かどうかを知る手掛かりになります。
自分の傾向を知っておくことで、翌日に大切な予定がある日は飲酒を控えたり、ノンアルコール飲料を選んだりするなど、無理のない飲酒習慣につなげることができます。
関連遺伝子名:ALDH2遺伝子
アルコール消費量
アルコール消費量に関する遺伝的な特徴を調べることで、お酒を飲む量が増えやすい体質かどうかを知る手掛かりになります。
飲酒量が多くなりやすい傾向を知っておくことで、自宅にお酒を買い置きしない、飲み放題プランを避けるなど、飲み過ぎを防ぐ工夫につなげることができます。
関連遺伝子名:HECTD4遺伝子
アルコール依存症
アルコール依存症に関する遺伝的な特徴を調べることで、お酒に依存しやすい体質かどうかを知る手掛かりになります。
依存リスクが高い傾向を知っておくことで、ストレス解消を飲酒だけに頼らず、運動や趣味など健康的な方法を取り入れるきっかけとなり、飲酒習慣を見直すことにつながります。
関連遺伝子名:ADH1B遺伝子、LOC100507053遺伝子など
ワインの好み
ワインの好みに関する遺伝的な特徴を調べることで、どのタイプのワインを好みやすい傾向があるかどうかを知る手掛かりになります。
自分の傾向を知ることで、味や香りの好みに合ったワインを選びやすくなり、より自分に合った楽しみ方につなげることができます。
関連遺伝子名:HLA-DOA遺伝子、OR51B5遺伝子など
二日酔いをラクにする予防法と対処法
二日酔いをラクにするためには、飲む「前」と「最中」、そしてお酒を飲んだ「後」の対策が大切です。
飲酒前に意識したい二日酔い予防
空腹のままアルコールが胃に入ると吸収速度が上がり血中濃度が急上昇するため、たんぱく質(肉・魚・大豆など)や食物繊維(サラダ・海藻など)を含む食事と一緒に飲むようにしましょう。
また、肝臓が1時間に分解できるアルコール量には限界があるため、純アルコール量約20g(日本酒1合、ビール中瓶1本程度)を目安に、水と交互に飲む「水チェイサー」を挟みながら1時間に1杯程度のペースで飲むことがおすすめです。
【出典】厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
二日酔いをラクにする対処法
まずは水分を補給する
アルコールの利尿作用により体内の水分が失われると、翌朝の頭痛やだるさといった「脱水」症状が強まります。こまめに少量ずつ水分を補給しましょう。
| 飲み物の種類 | 二日酔いへのメリット | どんな症状の時がおすすめ? |
|---|---|---|
| 経口補水液 | 水分と電解質が最も効率よく吸収される | 脱水症状が強く、フラフラするとき |
| スポーツドリンク | 水分・塩分・糖分を同時に補給できる | 軽い倦怠感や口の渇きがあるとき |
| 味噌汁・スープ | 電解質を補い、胃を温めることができる | 胃のムカムカが落ち着いてきたとき |
【出典】National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism「二日酔い」
【出典】アルコール関連問題予防研究会「二日酔いの科学」
軽く糖分を補給する
肝臓がアルコール分解を優先すると「低血糖」状態になりだるさを招くため、果汁ジュースなどで糖分を補い、吐き気が落ち着いたらおにぎりやバナナなど消化のよい炭水化物を少量ずつ摂りましょう。
胃にやさしい食事をとる
食事はおかゆや豆腐などの消化に負担の少ないものを選び、揚げ物や激辛料理、濃いコーヒーは避けます。頭痛薬・胃腸薬は疲弊した肝臓や荒れた胃粘膜にさらにダメージを与える恐れがあるため、自己判断での服用は避けましょう。
なお、深呼吸を増やしたり長く寝たり、サウナや運動で汗を流したりしても、肝臓での分解速度自体は変わりません。むしろ脱水を悪化させ、心臓への負担や血圧変動のリスクを高めるため、体調が整うまでは安静が鉄則です。
ご利用者さまの声
お酒は体質にやはり合わないのが遺伝子の結果からわかって…ノンアルにするわ!と友人に話した。
「アルコール代謝」が遺伝的に高く、「お酒の強さ」は遺伝的に普通、「アルコール依存症」が遺伝的に高いとわかったので、お酒を月に数回飲んでいたところを年に3、4回に抑えている。
アルコール依存の傾向があるようなので禁酒を継続したい
出典:2026年7月実施 ユーザー様満足度アンケート
よくある質問(FAQ)
- Q. 二日酔いは何時間で治る?
- A. 二日酔いの症状は、通常は飲酒後8〜24時間の間にピークとなり、その後徐々に軽快します。ただし、飲酒量、体質、睡眠の質によって個人差が大きく、24時間以上続くケースもあります。長引く方は、遺伝子検査で二日酔いのなりやすさを調べてみるのも一つの手です。
- Q. 二日酔いになりやすい体質はある?
- A. 二日酔いになりやすい体質はあります。特にALDH2遺伝子が弱い体質(アセトアルデヒドを分解しにくい体質)は吐き気や頭痛などの症状が出やすく、唾液でカンタンに検査できる遺伝子検査もあります。また、女性や体重が軽い人、肝機能が低下している人も、同じ量のお酒で大きな影響を受けやすいことが知られています。
- Q. 遺伝子検査はどうやって受けるの?
- A. chatGENE遺伝子検査は、唾液で検査ができます。自宅で唾液を採取し、ポストに投函。結果はスマートフォンやPCで見ることができます。
まとめ
二日酔いは、複数の要因が重なって起こる全身の不調です。つらい状態なら、まず水分と軽い糖分の摂取、胃にやさしい食事を心がけ安静を最優先し、次回は空腹を避けてたんぱく質や食物繊維を先に食べ、水を挟みながらゆっくり飲むよう意識しましょう。
そして、遺伝子の違いから自分の二日酔いのなりやすさを理解することは、「体を守りながら賢くお酒と付き合う」飲み方を心がける第一歩になります。自分に最適なお酒の楽しみ方を見つけてみましょう。