「最近、生え際が気になる」「抜け毛が増えた気がする」「父親や祖父が薄毛だから、自分も将来不安」──そんなふうに感じたことはありませんか?
男性型脱毛症(AGA)は、成人男性に多く見られる脱毛症です。
前髪や頭頂部の髪が細くなり、少しずつ薄毛が進行していくのが特徴です。
ただし、男性型脱毛症(AGA)は“遺伝だから必ず進行する”というものではありません。
遺伝的な体質に加えて、睡眠不足やストレス、食生活などの生活習慣も関係します。
この記事では、男性型脱毛症(AGA)の仕組みや初期サイン、遺伝との関係についてわかりやすく解説します。
男性型脱毛症(AGA)とは?
男性型脱毛症(AGA)という言葉の定義や、具体的な進行パターンについて詳しく見ていきましょう。
男性型脱毛症(AGA)は成人男性に多い脱毛症
男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)は、主に思春期以降の男性に多く見られる進行性の脱毛症です。
日本皮膚科学会によると、日本人男性の約30%にAGAの所見があるとされ、とても身近な悩みです。
AGAでは、髪の毛が生え変わる「ヘアサイクル」が乱れ、本来は数年かけて成長するはずの髪が十分に育たないまま、細く短い状態で抜けやすくなります。
【出典】日皮会誌. 2017,127:2763-2777
▶前髪や頭頂部から進行しやすい
AGAは、「額の生え際」や「頭頂部(つむじ周辺)」から進行しやすい特徴があります。
これは、部位によって男性ホルモンに対する感受性が異なるためです。
▶横髪や後ろ髪は残りやすい
「側頭部(横髪)」や「後頭部(後ろ髪)」は、男性ホルモンの影響を受けにくい特徴があります。
AGAが進行しても比較的残りやすい傾向があります。
AGAと「ハゲ」は何が違う?
日常会話では薄毛のことを一括りに「ハゲ」と呼びますが、医学的にはAGAとハゲには明確な違いがあります。
「ハゲ」という言葉は、単に頭髪が薄くなっている状態を指す曖昧な表現です。
その中には、円形脱毛症や、頭皮の傷跡から毛が生えなくなる瘢痕性脱毛症なども含まれます。
「AGA」は、男性ホルモンと遺伝的な要因が深く関与し、決まったパターンで徐々に進行するという定義を持つ「疾患」です。
自分の薄毛の原因が本当にAGAなのかを正しく把握することが、対策を立てるための重要な第一歩となります。
M字・O字・U字に見える薄毛パターン
AGAは、その進行する形によっていくつかのパターンに分類されます。
主にアルファベットの形状になぞらえて「M字」「O字」「U字」と呼ばれます。
▶M字は生え際の左右が後退して見える
生え際の左右が後退して見えるのがM字の特徴です。
鏡で正面から顔を見たときに、剃り込み部分が深くなってきたと感じる場合はこの可能性があります。
▶O字は頭頂部やつむじ周辺が薄く見える
頭頂部やつむじ周辺が局所的に減っていくのがO字の特徴です。
自分では気づきにくい部位であり、写真や他人の指摘で自覚されることが多いです。
▶U字は前頭部全体が後退して見える
前頭部全体の密度が落ちて後退して見えるのがU字の特徴です。
前髪の根元全体が後退するため、おでこ全体の面積が広く感じられます。
初期の男性型脱毛症(AGA)で気づきたいサイン
AGAは進行性であるため、できるだけ初期の段階で兆候(サイン)に気づくことが大切です。
抜け毛が増えたと感じる
AGAの初期段階では、見た目にわかる前に抜け毛の「量」や「質」に変化が現れます。
▶枕元の抜け毛が気になる
朝起きたときに、枕元に細くて短い未熟な毛が多く混ざっている場合は注意が必要です。
成長期を十分に全うできずに抜けているサインかもしれません。
▶髪を洗うときに抜け毛が増えたように感じる
髪を洗うときに手につく毛の量が増えたと感じる状態が数か月続く場合、ヘアサイクルが乱れ始めている証拠です。
髪が細くなってきた
髪全体のボリュームが落ちる「軟毛化」も初期AGAの典型的な兆候です。
▶髪のボリュームが出にくい
髪の毛1本1本が細くなりボリュームが出にくいと、同じ本数が生えていても地肌が透けて見えやすくなります。
▶セットしても崩れやすい
髪のコシやハリがなくなってセットしてもすぐに崩れてしまうと感じたら、髪が細く弱っている可能性があります。
生え際・つむじの見え方が変わる
数年前の写真と今の状態を比較して、パーツの見え方が変わっていないか確認しましょう。
▶M字のように生え際が後退して見える
鏡で前髪をかき上げたとき、生え際のラインが以前より鋭角になっている場合はM字が進行している可能性があります。
▶O字のようにつむじ周辺が薄く見える
つむじの渦巻きが緩くなり、地肌の露出面積が増えてきたと感じたらO字の進行に注意が必要です。
▶U字のように前頭部全体が薄く見える
前髪全体をセットしようとしても前頭部の地肌が透けてしまう場合、U字が進行している可能性があります。
男性型脱毛症(AGA)はなぜ起こる?
AGAの根本的な原因は、髪の「ヘアサイクル」の短縮と、体内にある「男性ホルモン」の働きにあります。
ヘアサイクルが短くなる
私たちの頭髪は、「成長期(2~6年)」「退行期(2週間)」「休止期(3~4か月)」というサイクルを繰り返しています。
▶髪が太く育つ前に抜けやすくなる
健康な状態なら数年かけて育つ髪が、AGAになると成長期が極端に短縮されます。
これにより、髪が太く育つ前に細く短い毛のまま抜けてしまいます。
▶成長期が短くなることで薄毛が進行する
成長期が数か月〜1年程度に短縮されると、頭皮には十分に育っていない未熟な毛ばかりが増え、結果として薄毛が進行します。
男性ホルモンが髪の成長に影響する
ヘアサイクルを狂わせる主犯格が、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンです。
▶DHT(ジヒドロテストステロン)とは?
一般的な男性ホルモン「テストステロン」が、頭皮にある「5αリダクターゼ」という酵素と結合することで、より活性の強い「DHT」へと変換されます。
▶DHTが毛の生え変わりサイクルに影響する
変換されたDHTが毛根の受容体と結合すると、髪に「成長を止めろ」という脱毛シグナルを送り、ヘアサイクルの成長期を強制的に短縮させます。
【出典】Int J Mol Sci. 2020,21:5342
ストレスや生活習慣も薄毛に関係する
AGAは遺伝やホルモンだけで決まるわけではありません。
▶睡眠不足
睡眠中に分泌される成長ホルモンが不足すると、髪の成長に悪影響を及ぼします。
▶食生活の乱れ
髪の主成分であるタンパク質や、合成を助ける亜鉛・ミネラルが不足すると、健康な髪が育ちません。
▶喫煙・飲酒・ストレス
喫煙や飲酒、ストレスは血流を悪化させ、ホルモンバランスを乱す原因となります。遺伝的なベースが同じでも、生活習慣の違いで進行スピードには大きな差が出ます。
【出典】Br J Dermatol. 1988,119:627-632
【出典】J Clin Endocrinol Metab. 1994,79:1310-1316
男性型脱毛症(AGA)は遺伝する?
「ハゲは遺伝する」という説について、科学的な視点で解説します。
男性型脱毛症(AGA)は遺伝要因が大きいです。
AGAの発症リスクにおいて、遺伝が果たす役割は非常に大きいことが研究で証明されています。
一卵性双生児を用いた研究では、AGAの遺伝率は約81%にのぼると報告されています。
特定の遺伝子領域がハゲやすさに強く関連していることが特定されています。
【出典】J Invest Dermatol. 2003,121:1561-1564.
遺伝子検査でわかるAGA関連項目
自分の体質を知るためにおすすめなのが、遺伝子検査です。
chatGENE遺伝子検査では、男性型脱毛症(AGA)だけでなく、髪の太さや白髪など、髪に関わる体質の一部もあわせて確認できます。
男性型脱毛症(AGA)
▶AR遺伝子
男性ホルモンの感受性(受け取りやすさ)に関わる遺伝子です。
AGAの発症リスクや進行に影響すると考えられています。
▶PAX1遺伝子・FOXA2遺伝子
頭皮の形態や毛包の発達に関わる遺伝子です。
頭頂部・前頭部など部位ごとの毛包の男性ホルモンへの反応しやすさやAGAになりやすい頭皮形態に影響すると考えられています。
▶HDAC9遺伝子
毛髪サイクル(成長と退行)の調整に関わる遺伝子です。
毛の太さや成長期の維持に影響すると考えられています。
▶SHBG遺伝子・TDGF1P3-M6PRP1遺伝子
男性ホルモンのテストステロン値に関わる遺伝子です。
筋肉や骨格の形成、精神や脳機能にも関連すると考えられています。
▶ATP1B2, SHBG遺伝子
ジヒドロテストステロン値に関わる遺伝子です。
テストステロンが5αリダクターゼと結合することで産生され、男性型脱毛症のリスク増加に影響すると考えられています。
【出典】Am J Hum Genet. 2005,77:140-148.
【出典】Br J Dermatol. 2011,165:1293-1302.
円形脱毛症(AA)
円形脱毛症 (AA)はその名の通り毛髪が円形に抜ける病気です。自分の免疫系が自分の正常な細胞や組織を攻撃する「自己免疫疾患」と言われています。
症状は一般的には1〜2ヶ所ほどの円形の脱毛ですが、ひどい場合は、頭髪全体に広がったり、全身の毛がすべて抜けたりすることがあります。
この検査項目では円形脱毛症に関する遺伝的傾向を調べています。
髪の毛の太さ
髪の毛が太くて丈夫であることは、髪の毛の本数が多いことと同じくらい、髪が豊かに見えるかどうかに影響を与えます。
この検査項目では毛の太さに影響を与えている遺伝的傾向を見ています。
白髪
年をとるにつれて目立ち始める白髪。色素であるメラニンを作り出すメラノサイトの働きが低下することで髪の毛は白髪になります。
栄養不足・ストレス等の環境要因でも白髪になりますが、遺伝要因も影響を与えるとされています。
この検査項目では白髪に影響を与える遺伝的傾向を見ています
よくある質問(FAQ)
- Q. 男性型脱毛症(AGA)は遺伝する?
- A. はい、遺伝的な要因が大きく関与しています。
ただし、「遺伝=必ずハゲる」ではありません。
生活習慣を整えることで進行を遅らせたりリスクを下げたりすることが可能です。 - Q. 薄毛はAGAですか?
- A. いいえ、すべての薄毛がAGAではありません。
円形脱毛症や、病気による脱毛など他の原因も考えられます。
「徐々に進行する」「生え際やつむじから薄くなる」のがAGAの特徴ですが、気になる場合は専門医への相談をおすすめします。 - Q. 遺伝子検査はどうやって受けるの?
- A.chatGENE遺伝子検査は、
唾液で検査ができます。自宅で唾液を採取し、ポストに投函。
結果はスマートフォンやPCで見ることができます。
まとめ
男性型脱毛症(AGA)は、遺伝とホルモン、そして生活習慣が複雑に重なり合って起こる「体質ベース」の悩みです。
「親が薄毛だから」と一人で漠然とした不安を抱えるのではなく、まずはご自身の遺伝子が教えてくれる体質を“見える化”してみませんか?
chatGENE遺伝子検査は、
AGAの「なりやすさ」や髪に関する体質に加えて、睡眠やストレスなど生活習慣に関わる傾向も確認できます。
髪の悩みを“遺伝だけ”で終わらせず、自分に合ったケアを考えるきっかけになります。
数年先、そして10年先も健やかな髪を維持するために、今の自分に最適なセルフケアを見つける第一歩として、ぜひ遺伝子検査を活用してみてください。
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