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ビタミンD欠乏症

ビタミンDは紫外線によって皮膚から合成され、人体の免疫、骨の健康などに関与しています。ビタミンDが不足したり欠乏すると、小腸でカルシウムやリン酸が十分に吸収されず、体内のカルシウムやリン酸が不足します。カルシウムやリン酸の不足は、骨軟化症を発生する危険性を高めるとされています。 2020年に行われた日本の成人のビタミンD状態の研究では、ビタミンD欠乏(<12ng/mL)は夏に47.7%、冬に82.2%という、高い数値が報告されています。

症状

幼少期にビタミンDが欠乏すると、骨格の石灰化が十分に行われず、骨格が弱くなり、骨が圧力に勝てずに曲がることで、くる病を発症します。成人は、骨ミネラル不足になると、骨端が正常に成長しないため、骨軟化症を発症します。つまり、新しく作られる骨の骨化が弱く、骨折の原因になります。このほか、ビタミンDが欠乏すると、食欲不振、呼吸切迫、免疫低下などが現れることもあります。

原因

ビタミンDの欠乏の主な原因は、室内の活動量の増加によって十分な日照量が不足していることと、ビタミンDの一日の推奨摂取量を主要な給源食品として十分に摂取することが困難なことです。他に、吸収障害、肝臓でビタミンDの体内活性化障害が危険因子として考えられます。

診断

日本人におけるビタミンD欠乏の診断基準は明確ではありませんが、体内ビタミンD代謝物のうち半減期が長く、さらに血液中に99.95%以上存在する中間活性体であるカルシフェジオール(25-OH-D)の濃度によって診断します。30 ng/mL未満を「ビタミンD非充足」状態と判定し、そのうち20 ng/mL以上30 ng/mL未満を「ビタミンD不足」、20ng/ml未満の人は「ビタミンD不足状態」と判定します。

治療

ビタミンD製剤を高用量で4〜5週間服用し、その後一般的な推奨用量へ徐々に減らしていきます。また、通常は野外活動やビタミンD含有食品の摂取量を増やすことが推奨されています。

予防

通常1日15〜30分間の屋外活動を通じて、日光の紫外線に皮膚を直接曝露することで、ビタミンDを合成することができます。また、ビタミンDが豊富に含まれているサーモン、青魚、動物の肝臓、卵黄、大豆飲料、シイタケなどの食品を十分に摂取することもビタミンDを補う上で有効とされています。

参考文献

  • Lancet. 2010 Jul 17;376(9736):180-8.