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統合失調症

統合失調症は様々な症状を持つ病気ですが、日本精神医学会の定義では、「直接の原因がないのに考えや気持ちがまとまりにくくなり、本人が苦痛や困難を感じたり、回復のために治療や援助を必要とする状態」とされています。一生の間に統合失調症にかかる割合は1%程度とされています。

症状

症状は陽性症状と陰性症状に大きく分けられます。陽性症状では、幻覚が見えたり、妄想と現実の区別がつかなくなったりするため、考えが混乱し一貫性がなくなったり、興奮状態になったり、会話に脈絡がなくなったりします。一方、陰性症状では、感情の平板化、意欲の欠如、引きこもるなどの症状があります。他に記憶力や判断力の低下や、不眠などの症状が見られることもあります。時期によりどのような症状が前面に出るかは変化します。

原因

統合失調症の明確な原因は明らかにされていませんが、何らかの脳の機能的な異常や、心理的なストレスが関係して発生すると考えられています。脳の画像検査では、前頭葉・側頭葉・海馬・扁桃体などが小さい場合があり、前頭葉の機能が低下しているのではないかと考えられています。またドーパミンという物質の受容体を阻害する薬が統合失調症に有効であることから、ドーパミンの働きが重要であると考えられています。

診断

本人や周囲の人に問診を行います。今までの生活歴なども併せて確認します。他に精神面の症状を引き起こしうる疾患(脳腫瘍、側頭葉てんかん、甲状腺疾患、自己免疫疾患、ビタミン欠乏など)を除外するため、脳の画像検査(CT,MRIなど)や血液検査を行う場合があります。

治療

治療の基本は抗精神病薬の投与です。飲み薬だけでなく注射剤もあります。注射剤は月1回程度の使用で効果が続くので飲み忘れのリスクがありません。薬剤治療の他には、社会との接点を持つ、社会生活に必要な技能を学ぶなどの目的で、リハビリテーションが行われる場合があります。しかし症状が強く出ている時期には入院が必要なことがあります。

予防

統合失調症を予防するための明確な方法はありませんが、早期診断と、症状が軽い時期に通院や服薬を続けることが大切です。それにより、症状の悪化を防ぐことが期待できます。またストレス解消によっても症状を改善することが期待できます。統合失調症は家族や友人、医師、保健師など周辺の人々の対処方法と支援が、治療や予防にとって非常に重要な役割を果たします。

参考文献

  • Nature. 2022 Apr;604(7906):502-508.
  • Nat Genet. 2011 Sep 18;43(10):969-76.
  • Nature. 2014 Jul 24;511(7510):421-7.