chatGENE(チャットジーン)

多嚢胞性卵巣症候群

異常な血中黄体刺激ホルモン分泌により排卵障害をきたす疾患で、生殖年齢女性の約10%に認められます。症状として月経異常や不妊があり、併発疾患として子宮内膜がんと乳がん、インスリン抵抗性による肥満症や糖尿病を伴います。また高アンドロゲン症(男性ホルモン)による多毛症(男性化徴候)、にきび、脂漏性皮膚炎などが現れます。

症状

排卵障害は、多嚢胞性卵巣症候群患者の約60〜85%で観察されます。またアンドロゲン(男性ホルモン)が過剰に観察され、多毛症、にきび、男性型脱毛などの男性化徴候が認められます。加えてインスリンの抵抗性が高まることで肥満となり、肥満が進行すると糖尿病の症状が現れることがあります。

原因

多嚢胞性卵巣症候群の発症の原因は明らかになっておらず、遺伝的因子と環境因子の両方が作用すると考えられています。多様な遺伝学的要因と多嚢胞性卵巣症候群の遺伝的関連性に関する研究結果が報告されていますが、まだ臨床的に適用できる遺伝学的検査はないのが現状です。

診断

診断には、①月経異常、②腹部画像検査での多嚢胞性卵胞、③血中アンドロゲン(男性ホルモン)高値または黄体ホルモン基礎値高値、の全てを満たす必要があります。検査は腹部超音波検査と血中ホルモン値測定を行います。同時に、糖尿病の有無を採血にて確認します。

治療

挙児希望がない場合は黄体ホルモン療法を行います。また肥満がある場合は生活習慣指導により減量を行います。挙児希望がある場合は排卵誘発治療を行います。軽度の排卵異常であれば排卵誘発剤の内服のみですが、症状が重い場合はゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)療法を行います。それでも治療に反応しない場合は外科的に卵巣治療を行うこともあります。

予防

多嚢胞性卵巣症候群の原因はひとつではなく、さまざまな要因が関係するため、明確な予防方法がありません。早期発見し治療を開始することが重要です。そのため生理周期や生理期間、経血量がいつもと違う場合には早めに病院を受診することが推奨されます。

参考文献

  • Nat Genet. 2012 Sep;44(9):1020-5.