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記憶力

記憶力は、その名の通り「覚えておくための力」です。記憶力は20~30代がピークで、以降は加齢にともない徐々に衰えていく傾向にあります。この検査項目では、記憶力に関する遺伝的傾向を見ています。

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ヒトの記憶は往々にして曖昧なものです。実際、「言った」「言わない」という議論はよく見かけます。記憶する力は高ければ高いほどよいと思われがちですが、しかし、高すぎる記憶力は、日常生活にマイナスの影響を与えることもあります。たとえば、世の中には経験したことの詳細を長期間記憶できる超記憶力を持つ人が一定存在しています。神経心理学者であるルリヤ博士が報告したシィーと呼ばれる男性は、これまでに報告されてきた超記憶力の持ち主の中でも、特に優れた記憶力を持ち、記憶できる量に際限がありませんでした。彼は、70以上の単語や数字を一度みただけで正しい順序ですべて記憶できただけでなく、10年後、16年後もその情報を正確に思い出すことができました。一方で、この男性はあまりにも情報が鮮明に記憶として保持されるため、複数の情報をまとめたり、共通する情報を取り出したりすることが非常に苦手でした。会話をする際は、事柄の細部や副次的な情報の追憶にとらわれてしまい、内容が果てしなく脱線してしまうことが多かったようです。さらに、頭の中で形成される記憶のイメージが鮮明すぎて、空想と現実の区別がつかず、頭の中の鮮明な像が現実と一致しないために、必要な行動をとれないこともあったとされています。これは極端な例かもしれませんが、「程よく忘れていくこと」は、情報の特徴にフォーカスしたり、抽象化して情報を整理したりするために必要な能力なのかもしれません。

参考文献

  • Science. 2006 Oct 20;314(5798):475-8.