空腹感は生存本能の1つとして人間に備わっています。人はこの空腹感というシグナルによって摂食行動が誘発されます。しかし、その空腹感を覚える頻度や強さは個々人で大きく異なっています。空腹感を感じにくく長時間食事をしなくても平気な人もいれば、すぐにおなかが空いてしまい、何かを食べたくてどうしようもなくなる人もいます。この検査項目では、空腹感の感じやすさについての遺伝的傾向を見ています。
空腹感には血糖値や遊離脂肪酸の濃度が関わっているとされますが、ここでは血糖値と関わりの深い疾患である糖尿病の簡単な歴史についてご紹介します。糖尿病に関する最古の記録は、紀元前1500年代の古代エジプトの医学書に記されています。しかし、その後も長い間、インスリンが発見されるまでは糖尿病は治らない病気だとされていました。膵臓でインスリンを分泌する細胞ランゲルハンス島は、ベルリン大学のランゲルハンスによって1869年に発見されましたが、この時の論文では、この細胞が何をしているかは全く解明できていませんでした。後に血糖調整に関わる細胞と推察され、発見者にちなんでランゲルハンス島と命名されました。その後カナダの外科医であるバンティングと、トロント大学のマクラウド教授が、膵臓からの抽出物(インスリン)が血糖値を下げることを発見しました。この発見はトロントの奇跡と呼ばれ、バンティングらは1923年にノーベル生理・医学賞を受賞しました。