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ヘリコバクター・ピロリ菌感染

ヘリコバクター・ピロリ菌感染症とは、胃粘膜と粘液の間に寄生する螺旋状のヘリコバクター・ピロリという細菌による感染症のことです。この菌の感染率は年齢が高いほど高く、萎縮性胃炎と胃がんの発症の重要な原因の一つとして知られています。

症状

ほとんどの場合、ピロリ菌感染だけでは症状はありませんが、胃炎や消化性潰瘍がある場合に、症状が発現します。上腹部に焼けるような痛みがあり、痛みは数分から数時間で収まる場合や、数日から数週間にわたって続く場合もあります。他にも、体重減少、腹部膨満感、吐き気、嘔吐、消化不良、血便などの症状が現れることもあります。

原因

ピロリ菌の感染経路ははっきりとは解っていませんが、食事や食器の共有、幼少期の生水摂取が大部分と考えられています。そのため、上下水道が十分に普及していなかった世代の人の感染率が高く、団塊世代以前の感染率は約80%と高い一方で、若い世代の感染率は低くなっています。

診断

診断のための呼気検査は、呼吸から放出される二酸化炭素の量を測定します。ピロリ菌が分泌する尿素分解酵素によって高い数値の二酸化炭素が発生すると、ピロリ菌感染を意味します。他にも、糞便検体の検査や、胃内視鏡検査を通じて胃または腸内壁の組織検体や、血液検査などによって診断を行います。

治療

ピロリ菌感染による潰瘍は、抗生物質と酸を減少させるプロトンポンプ阻害剤の組み合わせで治療されます。薬物治療が完了してから約2〜4週間後に、呼吸と糞便検査を繰り返して、感染が治癒したかの有無を確認します。かつての除菌成功率は7割程度でしたが、最新の方法では9割以上と言われています。

予防

ピロリ菌感染を予防することは困難です。しかしながら乳幼児または幼児であれば食器の共用を避けることがピロリ菌の感染予防につながると言われています。ピロリ菌は早期発見・早期治療を行うことが重要なので、定期的に健康診断などの検査を受けることが大切です。

参考文献

  • Genes Dis. 2021 Mar 2;8(6):931-938.
  • Helicobacter. 2007 Apr;12(2):142-9.
  • J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2018 Feb;66(2):e36-e40.
  • PLoS One. 2013 Sep 19;8(9):e74976.