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ADHD(注意欠如・多動症)

ADHD(注意欠如・多動症)は、発達障害(神経発達症)の1つで、12歳以前の小児期から始まり、成人期まで続くこともあります。小児では有病率は5~6%、成人では3~4%とされており、男性のほうが多いとされています。不注意、多動性、衝動性が見られます。

症状

ADHDにおいては、不注意、多動性、衝動性が見られます。不注意とは、活動に集中できない、順序立てて取り組めない、ミスが多い、片付けが不得意、物を無くしやすいなどを指します。多動性・衝動性とは、じっとしていられない、落ち着かない、順番を待てない、などを指します。これらのどの症状が前面に出るかは人それぞれです。

原因

ADHDの原因は分かっておらず、生まれつきの脳の問題と考えられています。脳の前頭葉や線条体と言われる部位で、ドーパミンという物質を使った神経活動がうまくいかなくなっているのではないかと言われています。親がADHDの場合に子供がADHDになる確率は、親がADHDではない場合に比べると高くなるとされていますが、必ず遺伝するわけではなく、親がADHDではなくても子どもがADHDと診断される場合もあります。

診断

家庭や学校・職場などでの様子を、本人や家族、周囲の人から聴取し、詳しく調べる必要があります。小児の場合には、小児神経科・児童精神科などで受診しており、学校との連携も必要になります。虐待・不安定な生活環境などによりADHDに似た状態となる場合もあるため慎重に診断を行います。

治療

症状に合わせた行動療法や環境調整、薬物療法で症状の軽減・改善を目指します。環境の整え方としては、例えば机の位置や掲示物を工夫するなど、落ち着いて過ごしやすい環境を作ります。好ましい行動には報酬を与え、減らしたい行動には過剰に反応しないことで問題行動を減らしていくようにします。親にも普段の過ごし方についてトレーニングが行われる場合があります。

予防

まだ明確な原因とリスク要因が知られていないため、ADHD発症を防ぐ明確な予防方法はありません。ADHDについて理解が十分でない環境にいると、「忘れ物をするのはやる気がないからだ」、「授業中座っていられないのはふざけているからだ」、「厳しく躾けない親のせいだ」といった偏見にさらされ、本人は自信を無くしてしまいます。その結果、問題行動を起こす・気分が落ち込むといった二次障害を起こす場合があります。そうなると、周りの人も辛い状態になるので、周りが知識を持ち適切な対応を考えることも重要です。

参考文献

  • Nat Neurosci. 2021 Oct;24(10):1367-1376.