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加齢黄斑変性

網膜は眼球の内面を覆っている神経組織の膜で、しばしばカメラのフィルムに例えられ、網膜の中心部を黄斑といいます。この黄斑部に変性が生じることを黄斑変性といい、視力低下を誘発する代表的な退行性眼疾患です。加齢黄斑変性は高い発生頻度を示し、世界中で失明原因疾患の3番目を占めています。

症状

黄斑変性は、初中期は無症状だったり、片目または両目の中心視力がわずかにぼやけたり、暗い場所で見えにくいなどの軽度の症状を感じることがあります。後期症状には、文字や直線が波状に見えたり曲がって見える「視力歪曲」や視野中心部が見えなくなる「中心視力喪失」などがあります。

原因

年齢に関連する黄斑変性のリスクは、年齢とともに増加します。そして喫煙者は非喫煙者よりもこの疾患のリスクが2〜3倍増加するとされています。さらに、この疾患は遺伝的変異と関連してることが分かっています。その他のリスク要因には、人種や民族、高血圧、高コレステロール血症などがあります。

診断

初期黄斑変性は症状がないこともあるため、診断は眼科にて、患者の年齢、身体検査所見、家族歴を考慮して行われます。症状のない患者を識別するために定期的な眼底検査が必要であり、暗順応検査、コントラスト感度テスト、一部の直線が波状に歪んでいるかどうかを確認するアムスラーグリッドテストを実行します。さらに、瞳孔拡大検査、OCT撮影(光干渉断層撮影)検査などもあります。

治療

加齢黄斑変性には萎縮型と滲出(しんしゅつ)型の2種類があります。萎縮型は症状はゆっくりと進行し、急激に視力が低下することはありません。そして萎縮型には現在治療法がないため定期的な目の検査で滲出型への移行がないかなど、経過観察が必要となります。一方で、滲出型については緊急性が高く、早期の検査と治療を行う必要があります。治療方法としては、注射治療、光線力学療法などがあります。

予防

栄養素の十分な摂取、禁煙、外出時のサングラス着用などが黄斑変性予防の基本です。ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、亜鉛などの栄養素は黄斑変性の進行を遅らせ、視力減退のリスクを下げることが知られています。それらの栄養素を保有する代表的な食品としては、レモン、グレープフルーツ、ピーマン、アボカド、クルミ、アーモンド、カボチャ、ニンジン、ケール、ブロッコリー、牡蠣、貝、卵などがあります。

参考文献

  • Nat Genet. 2011 Sep 11;43(10):1001-4.
  • Nat Genet. 2013 Apr;45(4):433-9, 439e1-2.
  • Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 Apr 20;107(16):7401-6.
  • Nat Genet. 2016 Feb;48(2):134-43.